皆さんこんにちは!Lindsayです。りんじーって読みます。
ゴールデン・グローブ賞を最多3部門受賞し、アカデミー賞に5部門(作品賞、主演男優賞、助演男優賞、脚本賞、編集賞)にノミネート中の映画「グリーンブック」。3月1日(金)に公開の本作を、一足お先にGAGA(ギャガ)の試写室にて鑑賞してきました。
感想を書きたくて仕方がないほど良い作品だったので、早速、あらすじや感想を書いていきたいと思います。
目次
「グリーンブック」/あらすじ
1962年、ニューヨークの一流ナイトクラブ、コパカバーナで用心棒を務めるトニー・リップ(ヴィゴ・モーテンセン)は、学歴もなくガサツなものの、腕っぷしとハッタリで家族や周囲に頼りにされていた。
ある日トニーは、黒人ピアニストの運転手としてスカウトされる。彼の名前はドクター・シャーリー(マハーシャラ・アリ)。カーネギーホールに住み、ホワイトハウスでも演奏した経験を持つ天才ピアニストは、なぜか差別の色濃い南部でのツアーを目論んでいた。二人は、黒人用旅行ガイド(グリーンブック)を頼りに、南部へ出発する。
※グリーンブックとは?
1936年から1966年までヴィクター・H・グリーンにより毎年出版された、黒人が利用可能な施設を記した旅行ガイドブック。ジム・クロウ法の適用が郡や州によって異なる南部で特に重宝された。
「グリーンブック」/ネタバレあり感想
※ここからはネタバレが含まれます※
1960年代が舞台の実話を映画化した本作「グリーンブック」。人種差別をテーマにしているので、重い作品だし気合を入れて観なきゃ…と思っていたのですが、心が温まる痛快コメディでした!見方によってはとても悲しい物語ですが、まさかこんなに「とっつきやすい」描き方があったなんて。
ピーター・ファレリー監督
監督は、キャメロン・ディアス主演の「メリーに首ったけ」や、グウィネス・パルトロウ主演の「愛しのローズマリー」、ジム・キャリーの「ふたりの男とひとりの女」など、90〜00年代に数々のラブコメを世に出したファレリー兄弟の兄、ピーター・ファレリー監督。ファレリー兄弟の映画の邦題ってキャッチーで、パッケージやキャッチコピーも面白おかしい感じなので、昔よくツタヤでレンタルしていました。
ファレリー兄弟の映画には、障害を持つ人が出演しがちです。本作「グリーンブック」では、人種問題をテーマにしています。彼は、偏見や差別に対してユーモアで表現するというスタイルを確立していますし、一見タブーなようで、コメディタッチで的確に表現することで、分かりやすく、難しさのハードルを下げて観ることができます。コメディ映画の最骨頂を観たような気がしました。
ドン・シャーリーが貫く「非暴力」
ドン・シャーリーは、ピアニストとして成功するだけでは物足りなさを感じていました。差別が蔓延る南部を自ら訪れ、その土地でツアーをすることが、彼にとって意味を成すことだったんですね。そして彼は、「その地域が差別する土地なのではなく、その土地の人間が差別をする」と考え、「人が変われば差別も無くなる」という強い信念の持ち主です。
しかし、彼にどれだけ才能があるピアニストでも、その土地に足を踏み入れた途端、酷い目に遭ってしまいます。そこで彼は、暴力に対して尊厳、威厳で戦います。それが彼のやり方です。差別をする相手に対して対抗するのではなく、気付かせようとする態度に、感嘆しました。本当に強い人は、ドン・シャーリーのような人物です。
そして、出演はしていないのですが、製作総指揮の中に女優のオクタヴィア・スペンサーの名前も記されています。彼女は今までに、「評決のとき」や「ドリーム」、「フルートベール駅で」「ヘルプ〜心がつなぐストーリー〜」など、人種問題をテーマにした作品に多数出演しています。他にも「ギフテッド」や「シェイプ・オブ・ウォーター」など、彼女が出演している映画にハズレなし!と断言できるほど良作に出演されている女優さんです。
「グリーンブック」は笑えるシーンも多く、特にトニーが妻に手紙を書くシーンや、車の中でチキンを頬張るシーンは声を出して笑ってしまったし、トニーのぶっきらぼうな部分とドン・シャーリーの几帳面で繊細な部分がちょうど凸凹になっていて、良いコンビなんですよね。
この映画の撮影のために、20キロも増量してトニー役を演じたヴィゴ・モーテンセン。「ロード・オブ・ザ・リング」のアラゴルン役のイメージが強い彼ですが、アラゴルンの姿を思い浮かべて映画を観ると、そのギャップに大変驚くことになると思います。本作ではぽっちゃりのおじさんと化しているので、見事な役者魂を感じました。そんなおじさん二人の感動的な珍道中は、きっと心をじんわりと温めてくれるはずです。ぜひ劇場でご覧ください。
「グリーンブック」/予告編
「グリーンブック」/作品情報
題名:「グリーンブック」(原題:Green Book)
公開日:2019年3月1日(金)
監督・製作:ピーター・ファレリー
出演:ヴィゴ・モーテンセン、マハーシャラ・アリ、リンダ・カーデリーニ他
年が明けて早々、こんなに素晴らしい映画に出会えたことに感謝です。間違いなく、私の2019年のお気に入り映画になりました。アカデミー賞でどの部門に輝くか、とっても期待をしています!
それではまた次の記事でお会いしましょう!See you soon!
Lindsay.